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  室内音響の影響

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<解説>

スピーカーやアンプといったオーディオの機器の品質も重要ですが、最終的な聴こえは室内音響が優先します。例えば、あなたのリスニングルームが世界的に有名な音響学者によって設計されていない限り、あなたのオーディオシステムから良い音を出そうとすると、常に室内音響の影響との困難な戦いになります。
ここでは、miniDSPのルームEQと呼ばれるオーディオフィルタリング処理で、何ができるかを見てみましょう。

下図のようなリビングルームのステレオ配置されたスピーカーを例に説明します。

オーディオシステムの再生音には、次のような多くの要素が影響します。

  • スピーカーシステムの性能としての、周波数特性の凸凹。
  • 音響エネルギーを吸収しない窓は、左のスピーカーからの高周波エネルギーを多く反射する可能性があります。
  • 非対称な部屋のレイアウトによって、ステレオ録音された音像定位などに狂いが生じる可能性があります。
  • ソファのそばのリスナーの位置は背面の壁に近いため、いわゆる定在波(Standing Wave)によって過度の低周波を体験する可能性が高いです。このような場合、どんなに優れたハイファイ・オーディオシステムでも、フラットな周波数特性を得ることは難しいでしょう。
  • 部屋の固有振動モード(Room mode)による影響。
  • 部屋の自然な高域のロールオフがあります。

miniDSPはどのように役立つのでしょうか?

室内音響の影響をオーディオシステムにとって理想的なものにするためには、プロのスタジオが行っているのと同様のリスニングルームの改造や改築が必要になります。コストと時間のかかるリスニングルームの改築を行う以外に、システム全体のパフォーマンスを向上させるのに役立つ技が、miniDSPのDSPプリアンプに豊富に入っています。

Device Consoleという非常に分かりやすいソフトウェアのグラフィカルユーザーインターフェースを介して、フィルター、パラメトリックイコライザー、ディレイ、コンプレッサー/リミッターなどを使うことで多くの室内音響の問題を回避できます。

しかし、一般的なデジタル信号処理で室内音響の問題を解決するには限界があることを知っておいてください。特に、IIRフィルターを使ったパラメトリックイコライザーは振幅(音のエネルギー)に関する問題を解決するだけです。
もし、ルームモードやコムフィルター(位相のズレによる音波の打ち消し合い)の問題を解決するのであれば、時間軸あるいは位相をあわせる信号処理が必要です。そのためには、ディレイ機能を駆使することに加え、FIRフィルターによる位相補正が必要になります。

miniDSP 2×4 HDをはじめ、多くのminiDSP製品にはFIRフィルターが搭載されています。ただし、FIRフィルターを使用するには、事前に室内音響測定を行い、その結果を元にFIRフィルターを設計しなければならず、高度な知識と技術が必要になります。
一方、Dirac Live®を使えば、室内音響の測定とFIRフィルター(実際は、FIRフィルターとIIRフィルターの組み合わせ)の設計までを自動で行ってくれます。